症例【コロナ感染後に続く不調】慢性上咽頭炎後の違和感と自律神経の乱れ(施術15回)

患者さま

50代・女性


発症から来院までの経緯


新型コロナ感染後から体調が安定しない状態が数年間続いていました。


首や肩、背中の強い緊張、コリに加えて、胃腸の不調、喉の違和感(痰や咳)、左耳の痛みや耳鳴りがあり、人混みや大きな音がつらい、強い疲労感が抜けないといった状態でした。


耳鼻咽喉科では『慢性上咽頭炎』と診断され、Bスポット療法80回以上継続されており、粘膜の炎症自体は改善していました。


しかしその後も、少し活動すると体調が崩れる状態が続いていました。


「体調を整えて、将来的に仕事を再開したい」という思いから、当院へ来院されました。


来院時のお身体の状態


首から背中にかけての緊張が強く、呼吸は浅く、血圧はやや低めでした。


睡眠時間は確保できているものの途中で目が覚めることがあり、刺激やストレスに対する過敏さが目立っている状態でした。


この時点では、炎症そのものというよりも、過緊張が持続している状態と考えられました。


施術のポイント


施術では、脳と自律神経の緊張を整え、呼吸が深くできる状態をつくることを軸に行いました。

あわせて、首や背中、腹部の緊張をゆるめながら、身体が安心できる状態を少しずつ覚えていくことを目的とし、頭の鍼(YNSA)を中心に施術を行いました。

また、日常生活での活動量の調整やセルフケアについてもお伝えし、無理のない範囲で回復を積み重ねていく方針としました。


数年間ずっと症状が続いている経過から、一気に改善を目指すというのは現実的ではなく、ゆっくりでも確実な変化を積み重ねることを優先しました。


「早く良くなりたい」という気持ちに応えようとして、頻回で刺激過多になると、かえってクラッシュなどの体調悪化の揺り戻しにつながるリスクがあると考えたためです。


冷静にお身体の状態と変化を見て、確実にゴールを見据えた施術をすることがポイントとなります。

経過

施術を開始してすぐの頃は一時的に楽になるものの、暑さや疲労の影響を受けやすく、体調の波が大きい時期が続きました。

5回目頃から体調の良い日が出てきて、外出が可能になりましたが、活動後に背中の緊張、コリが強く出るなど、不安定さが残っていました。

その後、回数を重ねるにつれて行動範囲は徐々に広がって行き、友人と会う、外で食事をする、庭作業をするなど、日常の活動が増えていきました。ただし、無理をすると強い疲労が出る段階でした。


10回目前後では、強いストレスがかかった際に背中の緊張が出ることはありましたが、以前のように長引くことは少なく、回復が早くなってきました。


12回目以降は「まずまずの状態」を維持できる期間が増え、環境の変化があっても大きく崩れることなく過ごせるようになっています。


15回目(2026年3月)の時点では、刺激に対する反応は残るものの全体として安定していて、回復力が高まっている状態です。


現在は、ベースラインの向上を目指しながら生活の幅を広げていく段階に入っています。


考察・まとめ(同じようなお悩みの方へ)

コロナ感染後や上咽頭炎の治療後に、「検査では大きな問題が見つからない」といった状態にも関わらず体調が戻らない、少しの活動で崩れてしまう、といったご相談は少なくありません。


このような状態では、症状そのものを抑えるというよりも、体の回復力を少しずつ取り戻していくことが現実的なアプローチになります。


鍼灸の施術によって無理に変化を及ぼすのではなく、体の反応を見ながら調整していくことで結果として安定につながることがあります。


この症例で起きている変化は「悪化しても回復できる状態に変わってきたこと」です。


慢性的な自律神経の不調では、この“回復できる力”が確実に戻ってくることが、実際にはいちばん大きな変化になってきます。




▼コロナ後遺症のご相談症例はこちらをどうぞ

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