【コロナ後遺症・上咽頭炎・気管支炎】呼吸苦、鼻の奥の張り付き感。同時進行で鍼灸施術とセルケアを組み合わせることで改善に向かった症例

コロナ感染後の長引く体調不良(コロナ後遺症)でお困りだった患者さまの症例をご紹介します。

患者さま情報

30代 女性 東京都

発症から来院までの経緯

コロナウイルスに感染後、後遺症と思われる様々な症状が現れました。

ヒューヒューという喘息のような咳、呼吸が苦しい、喉がギューっと閉まる感じ(ヒステリー球)、気圧の変化による頭痛、めまい、吐き気に悩まされていました。

鼻から喉にかけて何かべったりと付いている感じ、鼻の奥に何かがある感じが常にあり、鼻うがいをすると一時的にスッキリするものの、1時間ほどで元に戻ってしまうとのことでした。


咳が続くことから病院では「気管支炎」と診断。

去痰剤、気管支を広げる薬、不安感をやわらげる薬などを処方されていました。

また、耳鼻咽喉科では「上咽頭炎」と診断。

Bスポット療法を20回以上受けられていましたが、症状が改善しきらない状態でした。

「東洋医学的なアプローチであれば改善するかもしれない」という期待を抱いて当院にご来院されました。

施術のポイント

施術では、以下の3点を重要なポイントとしました。

  • 首の後ろの冷え改善
  • 首肩こり(首の後ろ、横)の緩和
  • 呼吸の改善


まず最初に重点を置いたのは、首の後ろの冷え改善です。

気温や湿度が高い時期でも、じわっと汗をかいた肌表面が冷えることで首の後ろが冷えることがありますが、ご自身では気づきにくいことがあります。

首の後ろが冷えると鼻の奥にある上咽頭のうっ血が増してしまうため、このポイントは見逃せません。

お灸を使ってしっかりと熱を加える施術を行うとともに、ご自宅でも簡単にできる温めるセルフケアもお伝えし、上咽頭の血流を良くすることを心がけました。


首肩こりに対しては、食いしばりの影響が強く出ている可能性がありました。

空気の通り道である鼻のコンディションが悪いとき、ストレスを感じているときに起こりやすいです。

食いしばりは顎や首、肩の筋肉に過度な緊張を引き起こし、結果として頑固な首肩こりにつながります。頭、顔、手足、骨盤など全身のツボを使って解消するよう試みました。 
  
 


意外に思われるかもしれませんが、呼吸の改善においては、股関節の硬さを取り除くことが重要な鍵となることがあります。

これは、呼吸運動にとって非常に重要な筋肉である横隔膜が、股関節の深部に位置する大腰筋という筋肉と解剖学的に密接につながっているためです。

股関節が硬くなる→連動して大腰筋が硬くなる→緊張が横隔膜の動きを制限するからです。

もし、呼吸のしづらさや浅い呼吸を感じる場合は、股関節の柔軟性にも目を向けてみることをお勧めします。

経過

  • 初回施術後: 初回施術後4日間は、コロナ感染前のような体調の良さを感じられたとのことでした。しかし、5日後の起床時から再び体調が悪くなってしまいました。
  • 2回目: 体調が悪化してしまった理由として、急激な気圧の変化や気温の低下が考えられました。特に気温が下がったことから、首の後ろの広範囲や手足に冷えが出ていました。このため、お灸や「あずきのチカラ」などを活用し、しっかりと熱を加える施術を行いました。
  • 4回目: 発作的な咳は起きなくなり、仕事にも行けるようになりました。この時点では時短勤務でしたが、早めにフルタイム勤務に復帰したいというお気持ちでした。
  • 6回目: フルタイム勤務に復帰することができました。台風が近づくなど気圧が大きく変動する際には体調が悪化する傾向は残るものの、激しい症状にはならなくなりました。

その後も継続して施術を受けられ、体調の安定を目指しています。

考察・まとめ

コロナ後遺症の症状として、「上咽頭炎」を合併しているケースは少なくありません

上咽頭の炎症は慢性化しやすく、自律神経の不調にもつながりやすいため、頭痛、めまい、吐き気、全身倦怠感、気分の落ち込みなど、多岐にわたる症状を引き起こしてしまうことがあります。

不調の原因が「慢性上咽頭炎」にあることに気づくことがまず大切になります。

早期に動くこと、そして、耳鼻科での治療と併せて鍼灸施術も行ったのが良い結果につながったと思います。

 

コロナ後遺症について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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