上咽頭炎って市販薬で良くなるの?を考える

上咽頭炎に悩む方からよく質問されるのが、「市販薬でどうにか良くなることはできないですか?」ということです。


「上咽頭炎が出てきたかも…?」と思ってもすぐに耳鼻科や治療に行けなかったりしますよね。そんなときに市販薬で対処できたら安心につながると思います。

この記事では実際に臨床の現場で患者さんから聞いた市販薬に焦点を当て、それぞれを詳しく説明します!

目次

市販薬ができること・できないこと

まず、結論から書きます。

市販薬で上咽頭炎を改善(緩和)できる可能性はあります。ただし、完治させるのは難しいと思います。

”耳鼻咽喉科でのBスポット治療(EAT治療)でも完治は難しい”と言われているものが市販薬で完治したら逆にびっくりですよね…。

とは言え、市販薬に意味がないということもなく、咽頭炎の症状を軽減するために一時的に使用することは選択肢の一つとしてアリだと思います。また、状態を安定維持させる手段としても同様です。

ここからは、実際に臨床の現場で患者さんから聞いた市販薬をいくつかご紹介します!

のど飴

のど飴は医薬品ですが、有効成分による効能・効果が認められているものがあります。「あれ?喉がなんか痛いかも?」というときにのど飴は手軽にコンビニやドラッグストアで手に入るので、常備している方も多いのではないでしょうか。すぐ炎症や痛みをやわらげてくれるのど飴は心強い味方ですよね。

注意すべきは、のど飴による”砂糖の摂り過ぎ。

のど飴がクセになっていて気づいたら結構な数を舐めていた…!ということがあります。砂糖を摂りすぎると炎症を悪化させるため、量には注意です!

のどスプレー

持ち運んで手軽にシュッと喉にかけることでヒリヒリ感や痛みが軽減され、安心につながるアイテムですね。

ただ手軽がゆえにやりすぎてしまったり、ないと不安になってしまう方もいらっしゃる印象です。のどスプレーでよくある成分(ヨウ素系)は強力な成分です。用法・用量を守って使用する事が大切です。

漢方薬

緊急時はドラッグストアで漢方薬を少量を買って飲む、という方がいらっしゃいます。また、チクナインで鼻づまりや副鼻腔炎が楽になり、後鼻漏が改善したケースも見かけます。

漢方薬はどんなものでも即効性があるというよりも、その方の体質を見極めて使用することで効果がしっかりと出てくる印象です。自己判断よりも医師・薬剤師にご相談の上、合ったものを見つけられると良いですね。

風邪薬

上咽頭炎を直接抑えるというよりも、”悪化する理由が風邪だった場合(初期の風邪)”は効果を感じられる方がいらっしゃいます。これも漢方薬同様、自己判断で飲み続けるのではなく、適切な使い方をする方が良いと思います。

初期の風邪の場合は首の後ろや手首が冷えている場合があります。これは案外と気がつかないものです。安易に風邪薬を飲む前にいったん首の後ろや手首の冷えをチェックしてみてください!(冷えていたら温めると良いです)

ハナノア

今田耕司さんがCMをされていて絵面のインパクトが強いですが、優れた鼻うがいのアイテムです。鼻うがいに抵抗がある方でも「ハナノアなら簡単にできる」「痛くない」という声も多いです。

これまでのハナノアは少量の液体(50ml)の商品でした。そのため、すっきり感はあるものの「がっつり鼻の奥を洗浄したい!」という方にとっては少し物足りなさがありました。ですが、少し前にハナノアデカシャワー(250ml)の商品が発売されるようになりました。液体が5倍量です。これであれば物足りなさが解消できます。

鼻うがいを定期的に続けることで上咽頭の炎症がひどくなるのを抑えることができます。上咽頭炎の症状が出てからというよりも、予防的に使うことをオススメします。

ミサトールリノローション

上咽頭炎治療の発信を数多くされている福岡の”みらいクリニックさん”では、ミサトールリノローションを『慢性上咽頭炎治療の補助』として位置付けています。一部の耳鼻科では院内で購入できたり、勧められることがあるようです。

メリットとしてはお家でセルフケアに使えること。購入すれば1人でできます。とにかく改善のためにできることをなんでもやりたい!という方や、Bスポットに通うほどではないけど状態をもう少し良くしたい!という場合に用いる方が多い印象です。

デメリットとしては使いづらいこと。点鼻したあと5分ほど安静にしなければいけないため、習慣化するのが少し大変です。あとはヒリヒリした痛みを訴える方もいらっしゃいます。

馬油

まれに「綿棒を使って、自分で上咽頭に馬油を塗る」というセルフケアを行う方がいらっしゃいます。これははっきり言ってオススメしません。結局のところ綿棒に馬油が吸われてしまいますし、上咽頭を荒らす可能性があるからです。粘膜の乾燥が気になる場合は緩和策として試してみるのも良いのではないでしょうか。(ただしあくまでも補助的な位置付けです)

まとめ

上咽頭炎は数々のやっかいな症状を引き起こすものですが、市販薬を上手に使うことで症状を軽減できる場合があります。ただし、それぞれの使用に際しては、使用方法を正確に守り症状が重くなかなか改善されない場合は、自己判断せず医師に相談することをオススメします。

当院は上咽頭炎・後鼻漏を専門とする鍼灸院です。市販薬以外の方法でしっかりと良くなりたいという方はぜひ一度ご相談ください。

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