【耳鳴り・ピーッ】怒りと耳鳴りの意外な関係性を知っていますか?
患者さんから「頭に来ると耳鳴りがピーッと大きくなるのは気のせいですか?」とご質問がありました。
そうです、気のせいではありません!
「怒りと耳鳴り」実は密接に関係します。
東洋医学でいうと、ポイントは『肝』。

東洋医学における「肝」は、西洋医学の肝臓とは異なり怒りやイライラといった感情を司る臓器として捉えられています。
感情的な刺激によって傷つきやすく、自律神経の乱れと関係が深いと言えるでしょう。
肝の働きがスムーズに行われないと怒りやイライラといった感情がコントロールできなくなり、様々な身体症状を引き起こす可能性があるのです。
肝の病は、慢性的な高血圧、イライラ、モヤモヤ、頭痛、赤ら顔、目の充血、鼻血など、いわゆる「頭に血が上った」状態が引き起こされます。
さらにここへ「怒り」という爆発的な影響力が加わった場合、耳鳴りにつながってしまうのです。

ちょうどイラストのような状態ですね。
怒り、ストレス、イライラや不満を心にぐっと抑え込んで頭に血がのぼった状態というのが見て分かると思います。
また、西洋医学でいうと、怒りは感情の中枢である大脳辺縁系に刺激を与え、耳鳴りが大きく感じるようになります。
同時に交感神経(闘いモード)が優位になることで耳の血流が悪くなることも理由の一つです。
こういったときはキーン・ピーなど、高くて強めの音が多くなります。
ずっと鳴っているということはなく波があるのも特徴です。
根本的な解決としては「ストレスの数を減らす」こと。
そうすることで頭の熱をクールダウンしてあげて耳鳴りを落ち着かせます。
でも・・・
なかなかそれって難しいですよね。
真面目な方ほどストレスを受け止めてなんとかしようと頑張ってしまうからです。
「私がやらないと」「まわりに迷惑をかけられない」「私さえ我慢すれば良いから」
耳鳴りに悩む患者さんからよくこんな言葉を聞きます。
本当に真面目な方、そして頑張り屋さんの方が多いなと思います。
ご自身で簡単にできるセルフケア
①深呼吸
②百会のツボ押し
この2つをオススメします。
【セルフケア①】深呼吸
一回の呼吸に10秒ほどかけてゆっくり大きく呼吸をします。
「肺」の働きによって頭の熱をクールダウンしてあげて耳鳴りを落ち着かせましょう。

【セルフケア②】百会(ひゃくえ)のツボ押し

⚫︎百会の位置
両耳の頂点を結んだ線と、鼻の付け根から頭頂部に向かって引いた線が交わるところ。
押してみると痛気持ちいいい感じがあると思います。
⚫︎ツボの押し方
指の腹を使ってぐーっと押して刺激します。
※爪を立てないように注意!
強すぎると痛みが強くなりすぎるので、優しく気持ち良いと感じる程度の力で押しましょう。
30秒くらいを 1日数回。
怒りやストレスを感じたとき、耳鳴りが気になるタイミングでやってみてください。
最後に・・・
耳鳴りは完治させるのが難しいとされる疾患の一つです。
原因が特定できない、個人差が大きい、慢性化しやすいというのが主な理由です。
悩みを抱えて病院を受診しても「年齢のせい」「気にしすぎですよ」などといった言葉を言われて傷つく方もいらっしゃいます。
(実際に加齢が耳鳴りの原因となる場合はありますし、気にしすぎないことで耳鳴りが軽減していくのは事実です。
ただ、悩みを抱えている最中には辛い言葉として響いてしまうようです)
これは言い切れるのですが、難しい疾患だからこそ、同じツボ、耳の周りに刺せば良いということでは解決しません!
首肩こり、食いしばり、胃腸の状態、生活習慣などが複雑に絡み合っていることを理解して進めていく必要があるでしょう。
複雑だからこそあきらめずにいたいものです。
お困りの方は一人で悩まず、ぜひ一度ご相談いただけたらと思います。
耳鳴りについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
