症例:【難聴・耳鳴り(ボー、ジー)】肩・背中のつらいコリから発症、聴力検査で改善を確認(6回の施術)

肩や背中の強いコリと風邪をきっかけに発症した難聴が、ご本人の自覚がない中でも聴力検査で改善が確認できたケースをご紹介します。

患者さま情報

50代 女性 (東京都)

発症から来院までの流れ

来院の約1ヶ月前、肩・背中・肩甲骨に強い痛みを感じ始めました。

その1週間後には風邪を引き、副鼻腔炎も併発。ちょうどその頃から、左耳に「ボー」「ジー」という耳鳴りと聞こえの悪さを自覚するようになりました。

耳鼻咽喉科を受診したところ「難聴」と診断され、メチコバール、アデホスコーワ、柴苓湯が処方されました。

持病の高血圧があったため、ステロイドの処方は一旦見送られました。

患者さまは6年前に右耳の突発性難聴を経験されており、その際は治療したものの聴力は回復しませんでした(平均聴力レベル47.5dB)。

今回の件で聴力検査をしたところ、以前よりもさらに悪化していることも分かり、これ以上悪化させたくないという強い思いがありました。

特に仕事で電話応対が多く、左耳の症状を改善したいと考え、「突発性難聴・鍼灸」でインターネット検索し、当院を見つけて来院されました。

当院での施術と経過

今回の難聴は、発症前にあった肩・背中・肩甲骨の強いコリが内耳への血流を妨げていることが一因と考え、このコリを解消することを施術の最も重要なポイントとしました。

施術では、主に手足や背中のツボを用いて、硬くなった筋肉を緩め、内耳への血流増加を促すアプローチを行いました

初回〜2回目:
ご家族から「テレビの音量を前はもっと大きくして聞いてたよ」と言われたそうですが、患者さまご自身にはまだ聴力が改善したという自覚はありませんでした。

3回目〜6回目:
引き続きご本人の自覚的な変化は乏しく、耳の縁をなぞった音も感じられないとのことでした。

7回目:
6回目の施術後に耳鼻科で聴力検査を受けたところ、平均聴力レベル(6分法)が32.5dBから21.7dBに大きく改善していました

8000Hzのみ50dBで残っていましたが、他の音域は10〜25dB程度まで回復していました。

その後、他の持病が見つかり、そちらの治療を優先することになったため、当院での施術はここで終了し、経過を見ていただくこととなりました。

聴力の変化

初診時の聴力検査表(※ここに聴力検査表の画像を挿入)を見ると、左耳(×印)の中音域を中心に軽度難聴(ピンクのエリア)であることが分かります。

(右耳(⚪︎印)は6年前の難聴によるもので、今回の施術対象ではありません。)

6回の施術後の聴力検査表(※ここに聴力検査表の画像を挿入)では、左耳の聴力が改善し、ほとんどの音域が正常範囲内(ピンクのエリア外)に戻っていることが確認できます。

唯一、8000Hzの高音域に難聴が残存しています。

ピンクのエリアが「軽度難聴」となる。
6回施術後には聴力回復していることが分かる。

考察・まとめ

今回の症例は、肩・背中・肩甲骨の強いコリが耳の症状と関連している可能性を示唆するケースです。

内耳への血流不足が難聴の原因となりますが、肩や背中の筋肉の緊張がこの血流を妨げることがあります。

施術によってこれらの身体的な緊張が解消され、内耳への血流が改善したことで、聴力検査上での明らかな改善が見られたと考えられます。

患者さまご自身には自覚的な変化が乏しい時期がありましたが、客観的な指標である聴力検査で改善が確認できたことは、施術の効果を示す重要なポイントです。

高音域(8000Hz)の難聴は残存しましたが、これは一般的に改善が難しい音域とされています。

幸いにも日常会話で主に使う音域ではなかったため、患者さまは日常生活での不便さを感じることなく、「満足している」という嬉しいお言葉をいただくことができました。

持病や過去の難聴の既往がある中でも、発症間もない時期に、身体のコリという根本的な原因にアプローチできたことが、今回の聴力改善に繋がったと考えられます。

突発性難聴についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。

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