症例:【耳のつまり・耳鳴り】背景に突発性難聴の可能性、耳管開放症、副鼻腔炎、上咽頭炎も…?原因不明から安定した症例
耳のつまり・耳鳴りにお悩みだった患者さんの改善症例をご紹介します。
患者さま情報
40代 男性 東京都
発症から来院までの経緯
左耳に詰まり感やふさがった感じ、音がぼやけて聞こえるといった症状が現れました。
特に人が多い場所やストレスがかかった時に症状が顕著になる傾向がありました。
同時に左耳で「キーン」という耳鳴りも感じていました。
病院を受診したところ「おそらく突発性難聴でしょう」と診断を受け、聴力検査後に薬を処方されました。
しかし、薬を服用しても症状に改善が見られなかったため、「早めに何かできることをしたい」と考え、インターネットで鍼灸院を探して当院に来院されました。
施術のポイント
施術では、以下の点を中心に行いました。
- 緊張の緩和: 全身の余分な緊張を緩めて、交感神経優位から副交感神経優位に。
- 首肩こりの緩和: 特に耳の症状と関連しやすい首や肩周りの筋肉の緊張を緩め、血流改善を促しました。
- 上咽頭炎の可能性も考慮: 後鼻漏の症状が見られたことから、上咽頭炎の可能性も考慮し、耳鼻咽喉科での診察を促しました。
診療の結果、耳鼻科でBスポット療法(上咽頭擦過療法)を受けられることになったため、その治療経過も考慮しながら施術を進めていきました。 - 鼻うがいの推奨: セルフケアとして、鼻うがいの継続をおすすめしました。
経過
- 初回〜3回目:
施術後、ご自身の声の響きが多少クリアになる変化を感じられました。しかし、耳鳴り(ピー、キーン)については変化がなく、特に朝方に強く感じられる状態でした。 - 4回目:
症状の改善は感じられるものの、まだ「自分の声がおかしい(響いて聞こえる)」とのことでした。この頃、耳鼻咽喉科を受診され、『耳管開放症』の診断を受けられました。 - 5回目:
上咽頭炎の可能性について再度お話し、Bスポット療法に対応している耳鼻科の受診をお勧めしました。(Bスポット療法スポット療法は限られた耳鼻咽喉科でしか対応してくださらないものだからです)
その後、Bスポット療法を受けられ、出血が多く見られたとのことでした。この頃、『副鼻腔炎』もあることも分かりました。 - 10回目:
体調を崩され、それに伴い聞こえの悪さや耳の中で「プチプチ」という音が聞こえる症状が出現しました。 - 12回目〜13回目:
顎の緊張が強く見られたため、顎周りの緊張を緩和する施術を重点的に行いました。 - 14回目〜15回目:
症状が安定し、良い状態を維持できるようになりました。
患者さんとも相談し、ここで施術を終了として様子を見ていくこととなりました。
聴力の変化

考察・まとめ
「耳の詰まり感、聞こえにくさ、耳鳴り…これってストレスのせい?気にしすぎですか??」
と患者さんから言われましたことが印象に残っています。
「気にしすぎ」なんてことは、決してない!と私は思います。
耳の症状はデリケートなので心身の状態、環境の影響、他の耳鼻科的な要因が複雑に関わっていることばかりです。この方の場合、突発性難聴の可能性、耳管開放症、副鼻腔炎、上咽頭炎といった、複数の耳鼻科的問題が隠れていたことが分かりました(耳鼻咽喉科受診により)。
こんなにも複雑な要素が絡み合っているなんて、正直驚きますし、混乱すると思います。ですが「気にしすぎかな?」と片付けていたら、解決が遠のいてしまいます。
当院では、単に耳だけを見るのではなく、ストレスや首肩こり、あごの緊張緩和、そして耳鼻科治療との連携を重視して施術を進めていきました。
症状には波がありましたが、施術を重ねるごとに、長年悩まされていた耳の詰まり感や聞こえにくさが改善。最終的には、合計15回の施術で状態が安定し、無事に卒業されましたことは喜ばしい結果です。
やはり思うのは、「気にしすぎ」なんてことは、決してない!です。
耳のご症状でお困りの方はこちらに詳しく書いてあります。
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