【コロナ感染後ひどくなった後鼻漏】夜中に咳き込んで目がさめる→8回施術後〜状態安定

●患者さま

60代　男性　東京都

　

●発症から来院までの経緯

数年続く後鼻漏(鼻水が後ろに垂れてくる症状)に悩んでいる。

耳鼻咽喉科で処方されたカルボシステインを服用すると改善がみられるが、服用しないと後鼻漏がのどに溜まり、むず痒く咳き込んでしまう。

X年11月に新型コロナウイルス感染。

治癒したあともすっきりせず粘り気が強い状態が続いている。

寝ていると垂れてきて咳き込み目が覚めてしまうのが大変な苦痛。

「途中で目が覚めちゃってぐっすり寝れないのが辛いんですよ・・・」とのこと。

テレビ番組で鍼灸について特集されているのを見て「自分の症状も東洋医学や鍼灸で改善できないかな？」と希望を持ち、来院してくださった。

　

●施術のポイント

⚫︎肩甲骨、背中、肋骨周辺のこわばりを解消

「長年の後鼻漏、咳き込みが起こることから呼吸が浅くなっている」とのことだった。

咳を繰り返すと呼吸する筋肉や肋骨に負担がかかり、慢性的なコリが作られる。

その状態が長く続くと肩甲骨、背中、肋骨周辺の動きが悪くなり呼吸が浅くなってしまう。

横隔膜（お腹の上の方）を触って確認したところ、かなり強い緊張が広がっていた。

手足のツボを使うことでお腹〜胸の緊張が取れ、自然な呼吸ができるように促した。

　

⚫︎後鼻漏の原因となる上咽頭炎の改善

後鼻漏があるということは上咽頭炎（鼻と喉の間の慢性炎症）がある可能性がある。

その旨を伝えて上咽頭炎治療をしている耳鼻咽喉科の受診を促した。

鍼治療においては首肩コリを取り除き、上咽頭炎の早期改善を狙った。

　

●経過

初回〜4回目：夜中に咳で目覚めることはなくなった。

まだ喉に粘っこい痰が引っかかる感じがある。

5回目：意識を向ければ痰が張り付いている感じがあるが、意識しなければ不快感はない。

6回目：寒暖差がある時期だったため、寒暖差がきっかけとなり鼻水が増えた。

7回目〜8回目：粘っこいものは気にならない。疲れが溜まり発熱。

9回目：体調に問題なし。寒暖差がなければ安定している。

経過を見つつ、８回目以降は維持を目的として月に一度のペースで来院されている。

　

●まとめ

慢性炎症が後鼻漏、咳き込み、呼吸の浅さという悪循環を引き起こしていた可能性がある。

これが長年続くのは大変辛いと想像できる。

施術を重ねたことで「最近は目が覚めることもないですよ！」という嬉しいコメントをいただくことができた。

適切に身体に起きていることを見極め、関連を考えて継続した施術すれば悪循環を断ち切れる可能性がある。

それが長年の症状であっても可能であると施術を通じて経験できた。

　

上咽頭炎・後鼻漏について詳しくはこちらをどうぞ