症例【コロナ感染後に続いた慢性上咽頭炎】喉の奥の違和感・声の出しにくさ(施術14回)
新型コロナウイルス感染後から続いた「慢性上咽頭炎」による喉の違和感などでお困りだった患者さまの症例をご紹介します。
患者さま
30代・男性
発症から来院までの経緯
3年半前に新型コロナへ感染したあとから、喉の奥の違和感が続くようになりました。
声が出しにくく、鼻から抜ける感覚が鈍い感じもありました。
辛いものを食べたり炭酸の飲むとしみる感覚があり、お酒を飲んだ後は特に症状が悪化するとのことです。
耳鼻科の後遺症外来へ通院し、Bスポット治療を1〜2週間に1回の頻度で約20回継続されていました。
ご相談時点では、強い出血や痛みはないところまで来たものの、さらなる回復に向かわず。
これ以上の改善に限界を感じたため当院へご相談いただくことになりました。
来院時のお身体の状態
首から肩にかけて強い緊張があり、特に胸鎖乳突筋や後頭部周囲の筋肉に硬さ、コリが見られました。
また、呼吸の浅さ、手足の冷え、軽度の過敏性腸症状もみられました。
全体として身体が常にギュッと緊張している印象があり、リラックスしづらい状態が長期間続いているのではないかと感じました。
慢性炎症が長引いている背景に、自律神経の切り替えがうまくいっていない可能性があるのではないかと考えました。

施術のポイント
上咽頭の回復を促すために神経の過緊張を整えることを優先的に行いました
自律神経の調整を目的地して頭のツボを中心に、首、背中、仙骨への弱い刺激で緊張をゆるめたり、お腹に対するツボを使って消化機能を整え、お灸と遠赤外線を使用して手足の血流を促しました。
【経過】
初回の症状レベルは10/10 (症状がもっとも強いのが10) 。2回目で7/10、3回目には5/10へ軽減しました。この頃から声の出しやすさが改善し、違和感も和らぎました。
5回目には3/10まで低下し、その後は2〜4/10の間で波はあるものの、全体として安定傾向を示しました。12回目に風邪を引いてしまい、一時的に症状が増悪しましたが、4日ほどで回復し、元の状態へ戻りました。
13回目の時点で症状は2/10まで落ち着きました。この段階で「Bスポット療法を一旦休止」する提案しました。
くり返しの刺激が粘膜の負担となっている可能性を考えたためです。
休止後には安定が続き、14回目で施術を終了しました。

考察・まとめ
慢性上咽頭炎で長く悩む方の中には、炎症そのものだけでなく、神経の緊張が抜けない状態が回復を妨げている可能性があります。
このケースでは、全身の緊張を整え、自律神経の切り替えを促したことが安定につながったと考えています。
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なお、誤解のないようにしていただきたいのは「Bスポット療法そのものが良くない」ということを言いたいのではありません。
このケースから分かるのは「症状の経過や体の状態によって、刺激量や治療の間隔を調整することも必要になる場合があるかもしれない」ということです。
回復の変化を見ていく中で、適切なタイミングで耳鼻科の医師と相談しながら、刺激の強さや治療間隔を調整して回復を目指していくことも一つの考え方になりうる、と感じました。
鍼灸施術においてはそういった個々の患者さんの状況と経過を踏まえ身体全体の状態をみていく必要がある、と感じた症例でした。
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