【突発性難聴】耳のこもり、耳鳴り(ピー)、反響音・合計3回の施術で終了・早期回復が叶った
●患者さま
50代 女性 東京都
●発症から来院までの経緯
朝起きたら突然耳(右)がこもる感じがした。
これまで気圧の変化があると偏頭痛(右)になることがあった。
今回も気圧の変化が大きいタイミングだったため、そのせいかと思い、いったん様子を見た。
ところが数日経ってもこもりに変化がない。
音が反響する症状も出てきた。耳鳴り(ザー)、耳が詰まる感じ(閉塞感)もある。
耳鼻咽喉科を受診したところ、聴力低下が見られ「突発性難聴」と診断。
ステロイドと血流改善の薬の処方を受ける。服用を始めてから約1週間経つが改善が見られない。
薬を飲むだけでなく他にもできるアプローチを探して当院を見つけ、来院されることとなった。
生活背景として、
・ストレスがかかる環境
・多忙
・睡眠時間の短さ
・甘いものを日常的に食べる
・飲酒 などの習慣がある。
来院4日前(異変を感じてから4日後)の聴力検査表がこちら↓
中音域〜高音域まで聴力低下が見られる。
●施術のポイント
内耳への血流を増やすために「首こりの解消」がもっとも大切な施術のポイン。
首こりの原因としては一つではなく、以下の事柄が複雑に絡み合っている。
- 食いしばりによるあごの過緊張(睡眠の浅さ)
- 手の疲労
- 目の使いすぎ
- 交感神経(闘いの神経)優位
これらを考慮した施術を行った。
日常生活において甘いものを日常的に食べる習慣がある。血糖値の乱高下からの睡眠の質の低下を懸念して改善するようにお伝えした。
首肩こりとは具体的には「胸鎖乳突筋」の上の方を指している。
場所はこのあたり。
「胸鎖乳突筋」の上の方は耳の近くにあるためこの部分のコリを取るのは欠かせない。
内耳への血流を増やしスムーズな聴力の回復促進を狙い、手・あご・顔のツボに鍼をする場合が多い。
●経過
初回施術:
施術のポイントにあるように胸鎖乳突筋のコリを緩める施術を行なった。手・あご・顔に加えて頭・仙骨のツボに鍼をした。
患者さま本人に、生活習慣が耳の不調につながっているという感覚があり、休息(睡眠)を十分に取ること、甘いものを中心とした食習慣の改善に取り組むよう前向きさが見られた。
なお、初回カウンセリング時に聴力表を確認し今後の見通しとして、
- 発症から日が浅いため聴力改善は望める時期にある
- ただし高音域は一般的に改善が難しいため、聴力低下が残る可能性が懸念される
この2つを患者さまに事前にお伝えした。
当院では事実ベースの情報を事前に共有しておくことはとても大切だと考えている。
2回目:
初回施術後、音の反響と聴力の改善を感じられた。さらに胃の調子(もたれる)も改善があった。初回同様の施術を行なった。
3回目:耳鼻咽喉科で聴力検査。正常値まで回復していた。懸念していた高音域に関しても問題なし。
医師からは「このタイプの難聴は治りにくいのによく治ったね!」とコメントがあった。
耳鼻咽喉科での治療は終了。鍼灸施術に関しても終了とした。
●聴力の変化
●まとめ
発症から早いタイミングで鍼灸施術を始められたことが予後を大きく左右したと考えている。
突発性難聴の場合、発症から時間が経てば経つほど改善が難しいものとなってしまう。
患者さま自身もそのことを理解し、耳鼻咽喉科を受診したのち素早い行動を取られていた。
また、これまでの生活習慣(ストレスがかかる環境、多忙、睡眠時間の短さ、甘いものを日常的に食べる、飲酒など)を見直し、前向きに改善へ取り組まれていたことも印象深い。
ステロイドや血流を改善する薬、鍼灸治療を受けたとしても生活習慣が身体に負担をかけていたら思うような結果を得ることはできない。
患者さん自身に気づきや前向きな気持ちを持てるように接していくことが大切だと感じた。
突発性難聴についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。