「顔に鍼を打った方が早く治るんですか?」の答え(顔面神経麻痺(Bell麻痺、Hunt症候群))

患者さん

顔に鍼を打った方が早く治るんですか?

患者さんからしばしば、こんな質問を頂きます。

この記事では顔に鍼を打った方が早く治るのか?結論とその理由を書いています。

顔面神経麻痺に悩む方が鍼灸を選ぶ際の参考になれば幸いです!

目次

顔に鍼を打つ?打たない?

「顔に鍼を打った方が早く治るんですか?」という質問に対しては、「正しい場所に正しいタイミングで打つことは早く治る可能性を高める」という答えが結論です。

下記に挙げる目的のために顔面部に鍼治療をするのは必要だと考えるからです。

『顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版』には”鍼治療の目的と治療法”としてこのよう記載されています。

①個々の表情筋の拘縮を軽減

②顔面の血流促進

③突っ張りや痛みを軽減

④頸から肩のこり感や違和感などの不定愁訴を図る

つまり『顔面部に対して適切な鍼を行い血流を良くして、同時に首肩こりを解消させましょう』と言うことです。

正しい鍼治療を行うと施術直後に顔面が軽くなり、リラックス感を得ることができます。特に慢性期になると顔の重たさやこわばり感が現れますが、この場合も鍼治療による変化が感じやすいです。

患者さんの中には「顔に鍼を打つのは怖い」という意見もあるでしょう。(たしかに顔は怖いですよね、分かります。。。!)

その場合は患者さんの気持ちを最大限考慮します。怖いこと、嫌なことを無理やり押し付けて治療は成立しないからです。患者さんとの信頼関係も破綻してします…。

ですが、顔面神経麻痺の回復に必要なことであればそれは必ずお伝えしています。事実を曲げることはできないなと、私は思います。

美容鍼と顔面神経麻痺治療をごっちゃにしないで!

かと言ってやみくもに顔面部に鍼をすることは”論外!!!”です。そんな単純なことで顔面神経麻痺は良くなりません。

顔面部への鍼はあくまでも上記の目的のために行うものですので、本数は5~10本程度、優しい刺激で十分に変化があります。

「顔に鍼を打つのは怖い」と言う意見が生まれる背景には、美容鍼の写真(主にInstagram)が一般の方の目に触れる機会が増えたことがあるのではないでしょうか?美容鍼は、顔~頭に多数(20~50本くらい)の鍼を打ち、電気を流します。写真のインパクトは絶大です。この写真を見て「やってみたい!」と思う方もいらっしゃると思いますが「顔に鍼を打つのは怖い」という思いを与えているのも事実として有るのでは。。。と思うのです。

美容鍼と顔面神経麻痺治療は似て異なるものです。美しさを求める美容鍼と顔面神経麻痺の回復。明確に目的が違います。麻痺の回復は時間との勝負になるのでごっちゃにせず、必要なことを見極めて頂きたいと思います。

その理解の助けになれるように患者さんのお話をじっくりと聞き、回復のために必要な説明をしています。

最後に・・・

顔面神経麻痺の回復は時間との勝負です。

麻痺の回復を助けるとともに後遺症の拘縮や共同運動が出ないように、出てしまったとしてもこれ以上進行しないように、やるべきことをやるべきタイミングでコツコツと続けることが必要です。

ですから「顔に鍼を打った方が早く治るんですか?」という質問に対しては「正しい場所に正しいタイミングで打つことは早く治る可能性を高める」とお答えするのです。

大切なお顔、笑顔を取り戻すためにベストな選択肢を選んでいきましょう!!

顔面神経麻痺はこちら!

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