【顔面神経麻痺】冬になると顔がこわばる理由と対策
冬になると、
「最近、顔がこわばりやすい」
「ほっぺたが固まって引っ張られる感じがする」
という不安を訴える方が多くなります。
麻痺の状態が急に悪化したはずはないのに、季節が変わるだけで症状が揺れる、後戻りしたように思えてしまうのです。
実際に顔の動きを確認させていただくと、重さがあったり、固まりやすいことを感じます。
また、いつも以上に共同運動(目と口元が同時に動いたりします)が強く出てしまう方もいらっしゃいます。
このような状態が続けば、冬に症状が「戻ったように感じる」とおっしゃるのも無理のないことでしょう。
特に、いつもより硬くなりやすいのが、口の横や頬、そして首の横や肩の上です。
この変化が他の季節よりもはっきりと出るため、冬に症状が「戻ったように感じる」のだと言えます。
首肩が固まると、なぜ顔が動きにくくなるのか?
寒さで首や肩が固まると顔の動きまで影響が出るのは、体の作りを考えるとごく自然なことです。
顔の筋肉は単独で動いているわけではなく、首の横・肩の上にある筋肉と深いところでつながり、支えられているためです。
特に、顔の動きを支える土台になっている筋肉は、寒さにとても反応しやすい性質があります。
冷えると筋肉は縮み、血のめぐりも弱まり、力が抜けにくくなります。
すると、首や肩のこわばりがそのまま上に影響し、口の横や頬にまで余計な力が入りやすくなります。

さらに、顔面神経は耳の下を通って顔に広がっていきますが、この通り道の周りにも筋肉や皮膚があり、ここが冷えで固まると神経がスムーズに働きにくくなります。
復途中の方はもちろん、後遺症が残っている方でも、同じ仕組みで“顔が動きにくい日がある”という不調が起こります。
つまり、顔だけの問題ではなく、首肩の状態が顔の動きの基盤を作っているということです。
冬に取り入れたいセルフケア
できるだけ症状が揺れにくくなるよう、家で取り入れられる工夫があります。
寒い季節はいつも以上に行っていただきたいのが本音です。
まずは温めることです。
しっかりと湯船に浸かったり、首肩用の温めグッズ(アズキのチカラ、ゆたぽんなど)を使うと、体の緊張がゆるみやすくなります。
温まったあとは軽くお顔をマッサージするのも良いタイミングです。
もう一つ大切なのは、体を縮めないようにすることです。
寒いと無意識にギュッと力が入りやすくなるので、ハイネック、ネックウォーマー、マフラーなどで首肩を守ってあげてください。
日常的に野外での活動が多い方、自転車やバイクに乗る方は、冷たい風が顔、首、肩に直接当たるので特に注意が必要です。
できるだけマスクを着用することも冷え対策の助けになります。

回復段階が違っても、対策の方向性は同じ
今まさに動きが戻り始めている方も、後遺症として残っているこわばりに悩んでいる方も、冬のケアで意識することは変わりません。
顔だけを何とかしようとするのではなく、顔が動きやすい状態をつくるために、首肩の緊張をゆるめることが大切、という大枠は変わらないのです。
これは派手な方法ではありませんが、継続することは確かな意味があります。
まとめ
冬の冷たさは、顔よりも先に首、肩を固めます。
その影響で、顔のこわばりが強く感じられる時期になります。
だからこそ、温めること、体を縮めないようにすること、冷えを防ぐ工夫を続けることで、冬の揺らぎを減らすよう心がけて見てください。
どうか、ご自身のお顔と体を大切にしながら、無理のないペースで冬を過ごしていただければと思います❄️
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