【顔面神経麻痺】突然顔が動かなくなったら… 症状と回復について、知っておきたいこと
以前、顔面神経麻痺についてこんなポストをしました↓
今回はこのポストで書ききれなかった顔面神経麻痺についてブログ記事にまとめました。
この記事を読むことで、顔面神経麻痺を発症し、不安の中にいる方に安心していただけたらいいなと思います!
突然顔が動かなくなったら… 「顔面神経麻痺」かも? 症状と回復について、知っておきたいこと
突然、顔の片側がピクリとも動かなくなったり、思うように動かせなくなったりする病気。
それが「顔面神経麻痺」です。
顔面神経麻痺は、顔の表情を作る筋肉を動かす「顔面神経」に何らかのトラブルが起きて、顔の一部または全体の筋肉が動きにくくなる状態を指します。
顔面神経麻痺は、障害される場所によって大きく①中枢性と②末梢性に分けられます。
①中枢性顔面神経麻痺:
脳(脳幹や大脳皮質)の障害によって起こります。脳卒中(脳出血、脳梗塞)や脳腫瘍などが原因となります。この場合、顔面麻痺以外にも手足の麻痺や言語障害などの神経症状を伴うことが多いです。末梢性麻痺とは異なり、おでこにしわを寄せることができ流のが特徴です。命に関わる病気なので、一刻も早く病院を受診することが必須となります。
②末梢性顔面神経麻痺: 顔面神経自体に原因がある場合で、こちらの方が大多数を占めます。
・ベル麻痺: 最も多いタイプの麻痺です。、原因不明とされることが多いですが、ヘルペスウイルスなどのウイルス感染が関与していると考えられています。疲労やストレスなどで免疫力が低下したときに発症しやすいとされています。
・ラムゼイハント症候群: 水痘(みずぼうそう)の原因となるウイルスと同じ、帯状疱疹ウイルスが再活性化することで起こります。顔面麻痺だけでなく、耳の激しい痛みや、耳介(耳たぶ)や外耳道にできる痛みを伴う発疹を特徴とします。めまいや耳鳴り、難聴を伴うこともあります。
・外傷性麻痺: 側頭骨骨折など、頭部や顔面の外傷によって顔面神経が損傷されることで起こります。
・腫瘍性麻痺: 耳下腺腫瘍や聴神経腫瘍など、顔面神経の近くにできた腫瘍が神経を圧迫・浸潤することで起こります。
・その他: 中耳炎など、他の病気が原因となって起こります。
顔面神経麻痺の主な症状
顔面神経麻痺では、次のような症状が突然現れることがあります。
また、発症から1週間程度は麻痺が進行することがあるので(適切な早期治療を受けていても起こることはあります)、その点も大きな不安を患者さんに与えるようです。
- おでこにシワを寄せられない:驚いたときのように眉を上げようとしても、片側だけ動きません。
- 目や口が閉じられない:目を閉じようとしても完全に閉じられず、乾燥が気になったり、うがいをしようとすると口から水が漏れたりします。
- 口から水が漏れる:特に飲み物を飲む際に、麻痺している側からこぼれてしまうことがあります。
- 味覚が低下する:舌の前の方の味(甘味、塩味など)を感じにくくなることがあります。
- 涙が出すぎたり、唾液が減少する:神経は涙腺や唾液腺にも関係しているため、涙が止まらなかったり、逆にドライアイになったり、口が渇いたりすることがあります。
- 音が耳に響く:大きな音が響いて聞こえたり、不快に感じたりすることがあります。
- ふらつく、めまい:顔面神経は平衡感覚にもわずかに関係している場合があり、めまいを伴うこともあります。

一番気になる「回復するのか?」について
突然、顔が動かなくなるというのは、本当に不安だと思いますし、「この麻痺は治るのだろうか?」ということが一番気になると思います。
安心していただきたのは、顔面神経麻痺は多くの場合、回復が期待できる病気だということです。
特に、最も頻度の高いベル麻痺の場合、多くの方が1〜3ヶ月以内に自然に回復すると言われています。
ただし、麻痺の程度が重い場合や、治療を始めるタイミングが遅れてしまった場合などは注意が必要です。
回復に時間がかかったり、完全に元通りにならずに「こわばり」や、意図しない筋肉が動いてしまう「共同運動」(例:目を閉じると口角が一緒に動くなど)といった後遺症が残ってしまう可能性もゼロではありません。
だからこそ、早期の受診と治療が大切です
より良い回復を目指すためには、発症からできるだけ早いタイミングで適切な診断と治療を開始することが非常に大切になります。
まずは、耳鼻咽喉科を受診し、原因や症状の程度をしっかり診てもらうことが推奨されます。ステロイド剤や抗ウイルス剤など、症状や原因に応じた薬剤による治療が行われるのが一般的です。
また、鍼灸治療も、後遺症のリスクを軽減し、順調な回復をサポートする選択肢の一つだと考えています。
こちらも、発症からなるべく早い段階で開始することが望ましいです。
顔面神経麻痺になってしまったら決して一人で抱え込まないようにしていただきたいなと思います。当院は顔面神経麻痺でお困りの方が、一日も早く笑顔を取り戻せるようサポートできる場所ですので、もし、今、顔面神経麻痺の症状でお悩みならご相談いただければと思います。
顔面神経麻痺についてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
