顔面神経麻痺になったら【鍼灸院選び 3つのポイント】
そら鍼灸院は顔面神経麻痺(Bell麻痺 、Hunt症候群)を専門にしている鍼灸院です。
なのですが、、、
鍼治療で顔面神経麻痺が本当に良くなるの?
と思う方も多いと思います。
まだまだ鍼灸治療は一般的に受けたことがない方が多く、馴染みのあるものではないですよね。
この記事では、こんな内容について書いています。
●そもそも鍼治療は顔面神経麻痺に有効なのか?その理由
●顔面神経麻痺と鍼灸師側の抱える問題点
●問題点を踏まえて、鍼灸院選びの3つのポイント
今、顔面神経麻痺に悩んでいる方はこの記事を参考にして信頼できる鍼灸院を見つけてもらえたら幸いです。
顔面神経麻痺治療に鍼灸が有効な理由とは?
顔面神経麻痺治療に鍼灸が有効な理由。
それは2023年5月に出版された『顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版』(日本顔面神経学会編)に書かれています。
・顔面神経麻痺(Bell麻痺、Hunt症候群、外傷性麻痺)患者へ顔面神経麻痺治癒のため、急性期に鍼治療を行うことを弱く推奨する
・後遺症が出現した慢性期の顔面神経麻痺(Bell麻痺、Hunt症候群、外傷性麻痺)患者に対し、鍼治療を行うことを弱く推奨する
『顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版』(日本顔面神経学会編)
あれ?なんだ~
”弱く推奨する”なんだ…
と、残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし”弱く推奨”とはっきり書かれていること、それ自体に大きな意味を持つと私は考えています。
実はこれまで『顔面神経麻痺診療の手引き 2011年版』において鍼灸治療の有効性は立証されていませんでした。そこから10年以上経ち、論文数が増加したことからエビデンスが再検討され、2023年には”鍼治療を行うことを弱く推奨する”と記載されるに至ったのです。
鍼治療が顔面神経麻痺の患者さんにとって希望を与える手段であることは、西洋医学的に見ても間違いありません。
顔面神経麻痺治療と鍼治療の問題点
ただ、問題点もあります。
ひとことで言うと『鍼灸師によって顔面神経麻痺治療の質の差が激しい』という点です。
鍼灸師側の抱える問題点として、
・顔面神経麻痺に対する知識不足
・治療経験の不足
・予後不良の評価法にバラツキがある
・鍼治療の技術差(顔面部に対して適切に鍼を打てない、身体にしか鍼をしない、誤った電気治療、マッサージなど)
こう言ったことが挙げられます。
顔面神経麻痺の治療はハッキリ言って簡単ではありません。
正しく現状を把握し(発症から2~3週間で柳原法10点以上は比較的予後良好、10点以下であれば予後不良)、それにあわせて回復過程と予後の予測を立て、適切な通院ペースを提案して納得して頂き、繰り返し鍼治療をする。途中で起こりうる後遺症の出現や体調の揺らぎにも適宜対応しなければなりません。
ところが上記で挙げたような鍼灸師側の問題点によって、患者さんにとってベストな治療環境を提供できていないという現実もあるのです。これは本当に難しい問題だなと思います。鍼灸院を選ぶ患者さんからはとても分かりにくいものだからです。
なぜこのようなことが起こるかと言うと『顔面神経麻痺に対する理解が乏しくても比較的予後良好のケースに該当すれば自然治癒の中で鍼治療の成果が出てしまうということ』が理由の一つにあると考えています。
これは低レベルな顔面神経麻痺治療を続ける鍼灸師が見て見ぬふりをする現実です。
顔面神経麻痺なったらどんな鍼灸院を選ぶか?
もし自分が顔面神経麻痺になったとしたら、3つのポイントを押さえて鍼灸院を選びます。
①顔面神経麻痺治療の実績がある
②麻痺の程度や発症時期によって治療内容に柔軟性がある
③医学的な知識がある
どれも当たり前のことなのですが、この当たり前が担保されていない鍼灸院も実は多数あるのです。
①顔面神経麻痺治療の実績がある
ホームページの内容や患者さんの口コミ、症例を確認します。
Instagramで顔面部にたくさん鍼を刺して投稿をしているような鍼灸院には少し警戒してしまいます・・・。見た人にインパクトを与える”映え”狙いの施術だとしたら良くなるとは思えないからです。正しい顔面神経麻痺治療に映え要素は必要ありません。
②麻痺の程度や発症時期によって治療内容に柔軟性がある
マニュアル治療ではないということです。
スタッフが複数人いる鍼灸院はそれぞれの経験値がバラバラですが、一定のクオリティ担保のためマニュアル治療をせざるを得ません。「顔面神経麻痺の治療にはこのツボ」といった具合で治療します。麻痺の程度や発症時期にあわせて同じ患者さんでも必要な鍼治療は変化していくものなので、マニュアル治療ではない鍼灸院を選びたいです。
③医学的な知識がある
最新の情報を取り入れて患者さんの不安を取り除いてくれる鍼灸院が安心できます。
これこそ当たり前すぎることですが、病院でどんな治療をするのか、リハビリではどんなことをするのか、後遺症にはどんな選択肢があるのか、すべて分かっている必要があります。病院では長い時間かけての説明がなされない場合もあるため、患者さん側は「わからない=だから不安」という辛い状況になってしまいがちです。
最後に・・・
私は『顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版』に”鍼治療を行うことを弱く推奨する”と記載されている事実に大いに心揺さぶられ、顔面神経麻痺治療に対するモチベーションを刺激されました。
顔は大事です。
老若男女問わず「顔なんてどうでもいい」と言う人はいません。
顔は自分自身のアイデンティティに関わる部位です。ですからエビデンスがあり、患者さんにとって最善と思われることを提供するべきだと私は考えています。
繰り返しになりますが、今、顔面神経麻痺に悩んでいる方はこの記事を参考にして信頼できる鍼灸院を見つけてもらえたら幸いです。
顔面神経麻痺についてはこちら