【顔面神経麻痺】「アリガトウ」の笑顔が教えてくれたこと【私の原点の話】

そら鍼灸院の濱岸です。

最近、患者さんから「どうして顔面神経麻痺の施術をやってるんですか?」と立て続けにご質問いただき、

あらためて何がきっかけだったのかなぁ〜と昔を振り返りながら、今の思いを書いてみました。

良ければ気軽にお読みいただけたら嬉しいです^^

はじまりは、鍼灸師になって最初の職場での出会い

鍼灸師になって最初に勤めた治療院で、顔面神経麻痺の方を担当させていただきました。

これが初めて見る顔面神経麻痺でした。

その方は出産間近の妊婦さん。

出産間近のタイミングだったのでお薬(ステロイド)が使えない。

しかも外国の方で日本語が理解できない。

当時は今みたいに翻訳アプリがないのでコミュニケーションも取れません。

難しい条件が重なっていたので「これはまずいぞ……!」と内心焦りまくりました。

初回はご家族の通訳を頼りに、表情やうなずき、仕草から気持ちを必死に受け取りながらの施術。

私も不安でしたが、患者さんの方が想像もできないくらい大きな不安だろうなと思いました。

ただ一つ、「赤ちゃんを抱く瞬間に、笑顔でいてほしいな」という気持ちから、そのときにできることを必死でやるのみ。

赤ちゃんを抱く瞬間は人生で一度きりしかない瞬間ですから、良い思い出であってほしいなと思ったのです。

とはいえ、そのときの私は顔面神経麻痺の経験値もないですし、知らない、わからないことだらけ。

周りの先輩に助けていただきながらたくさん勉強しました。

本当に必死でした、、、!!

幸いなことに麻痺の状態は少しずつ上向いていってくれました。

ほとんど完璧と言っていいくらい麻痺が分からなくなるまで来て、「いよいよ出産!」となったタイミングで鍼灸を卒業することに。

最後の施術の日。

施術が終わったあと、その方はニコッとして日本語で「アリガトウ」と言ってくれました

?!?!?びっくり。とっっても嬉しかったです。

(私も彼女の国の言葉で「アリガトウ」を返しました)


大切な顔、大切な身体を預けていただけたこと、

最後は笑顔を見せてもらったこと。

私の中で強烈な体験として記憶に残りました。

気づけば、この道を選んでいたというか。。。

その後に勤めた治療院でも顔面神経麻痺の方を受け入れている環境に身を置かせていただくことが続きました。

意図的に選んだつもりはなかったのですが、今振り返ると無意識に「あの経験を活かせる場所」を選んでいたのかな〜と思います。

「導かれた」という大層なことではなく、最初にいただいたご縁に背中を押され続けた感覚に近いです。

鍼灸師になりたての頃にあのような経験をさせていただいたのは本当に幸運なことでした。

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誤解していただきたくないのは、顔面神経麻痺という稀な疾患だから特別なストーリーに思えるかもしれませんが、今となってはそこに深い意味があるとは思ってないということです。

当院にご縁をいただいた方には、みなさん同じ姿勢、同じ熱量で向き合っています。

悩みが解決して笑顔を見せていただける喜びという点ではどんなご症状の方もまったく一緒です!

さまざまな患者さんに関わらせていただいて、今は心からそう思います。

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今回は私が顔面神経麻痺の施術に携わらせていただくきっかけのお話をさせていただきました。

なんとも恥ずかしいのですが、鍼灸師としての大切な体験を思い返してみました。

お困りの方の力になれるよう、これからも精一杯努めて参ります☺️✨

読んでくださってありがとうございました!

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